Sugar、砂糖じゃなくてOLPCの

3日位前のEngadget(日本語)にOLPC XOにテトリス、オープンソース版SimCityという話が出ていた。SimCity搭載といっても、もちろんこんなの[YouTube]ではなくて、このレベル[gif]のものだとは思うけど。
ところで3月の始まった頃のBusiness WeekにThe Face of the $100 Laptopという記事を読むことができた。The Faceとあるように、OLPCがユーザーに対して接する部分となるSugarを中心に書かれている。SugarはOLPCのユーザーインタフェースで、見るのが早いと思うのでこのビデオでどういったものかはわかると思う。ただし少し古いので現在のものとはまた少し異なっていて、昨日最新のビルドを試したところエフェクト処理の追加等でこのときよりも洗練されたものになっている(エフェクトがとっても遅いのだが)。
Sugarは、BWにも"Sugar offers a brand new approach to computing"とあるように、既存のコンピューターのアプローチとは異なっている、とはいっても新しいのかというと、ウインドウのあり方等はPDAや携帯電話と似た感じなので見かけ上の斬新さはなく、むしろちょっとしょぼくさえ感じる部分もあって、そういう部分や既存のデスクトップメタファを踏襲していないことなどからの批判を去年から多く見かける。昨日か一昨日のことだけども、olpcのtracにもこんなticketが投稿されていたりする、根拠のない否定から既存のデスクトップを使え、というような内容。これはどうでもいいとしても、このコメントの内容に興味深いものがあり、RafaelOrtizさんという方で、コロンビアで6歳から11歳の子供たちといくつかのテストを実施し(内容については書いていないが)、子供たちが不満を言う唯一のことはパフォーマンス(速度)についてだけで、それが難しいだとか簡単だとかについての不満はなく、子供たちはたんにそれを調べて遊びたいだけだと書いている。なるほど、と思ったのだけども、Sugarの問題は今まさにこのパフォーマンスにあり、最終版までにはある程度改善されると思いたい。
Sugarはpythonで書かれいてる(それがパフォーマンスの問題を生んでいる一因でもあるのだろうが)。それはとても面白く、今自分の使っているソフトウェアをテキストを書き換えるだけで簡単に改造することができるということを意味している(当然リストアすることはできる)、それ自身が見て触れる教材のようなもの(Sugarでターミナルを使いたいならAlt-0でコンソールを開く)で、今年のPyConでのOLPCのIvan Krstićによるキーノートについて書かれたblogを読むと、OLPCのマシンには"ソースを見る"ボタンが付いているそうだ。
話はそれるけど、他にこのblogでは、このプロジェクトの目的は、"子供たちの学習の仕方を変えること"、とある。それは情報を持ち歩けることで時間や場所に固定されることなくどこでも学習可能になり、それによって"子供たちが学ぶために他の誰かに依存する必要からの解放"ということにつながる。つまりネグロポンテが言うように、
"It's an education project, not a laptop project."と、根本的なところでコンピューターの枠で考えることじゃない、たぶん。
そういうわけで、Sugarもやはり既存のデスクトップのあり方で見ていくものではなく、そこで比較するのは間違っていると思う。まあ、個人的にどうなっていくのか興味あるので、今後も見ていくつもり(ちなみに今のマウスオーバでのメニュー表示はインタフェースとして良い形であるとは思っていない)。あと、また書くと思うので特に書かないけど、OLPC Human Interface Guidelinesを読むと、その考え方がとっても面白い。アプリケーションという考え方さえない。
最後に少しテクニカルな内容を。このblogに戻るとファイルシステムもpythonだそうで、yellowという名のバックエンドにsqlite3を利用したオブジェクトベースのファイルシステムということらしく、バージョン管理システムのような機能も実装されているみたいで、これも面白い。今度少しソースを見てみよう。ちょっとCPUに余裕があるときにメッシュネットワークを経由して、忙しそうなlaptopからシリアライズされたpythonオブジェクトを取ってきて、何らかの処理をして返してあげるみたいな、動的な分散コンピューティングのようなことができると楽しいなあ、なんて思った。
写真はflickrからBehdad Esfahbodさん。
