iPodと新しいROI
BusinessWeek:iThinking About iPods
連休中に、といっても休みではなかったのだけれど、時間を見つけて部屋を整理していると、去年買ったMITのJohn Maeda先生のThe Laws of Simplicity[link amazon.co.jp]が出てきて、読もう読もうと読まないまま放置し続けていたことを思い出し、休み中の2日の数時間ずつを喫茶店で過ごし読み終えた。
といってもWebでlawsofsimplicity.comは読んでいたし内容はある程度予期していた。日本語にすると「単純さの法則」みたいな感じになりそうだけど、なんかニュアンスが違う気がする。Simplicityというのをどう捕らえるか、だけど。内容はThe Lawsとなる10のLawによって語られる短いもので、このような本が常にそうあるように、これ自体によって何かの解が得られるようなものではないし、これを順にこなしていけばSimplicityが成し遂げられるというようなチュートリアルでもなく、むしろ曖昧にさえ感じられるが、そこはJohn Maeda氏へのTRUSTと、lawsofsimplicity.comでのニュアンスの共有によって意味を持ち、さらには続編へと。でも、なんであれ物を作ることに係わっている人なら、ここに書かれていることを頭に入れておくことは、問題解決のヒントになるだろうし役立つだろうと思う。
このSimplicityの文脈で書かれている(といっても読んでなくてもわかる)のが、BWの記事で新しいiPodについての内容(本の中でもiPodは登場するのだけど、少なからずAppleの製品はインタラクションやシンプリシティの方向に人の目を向けさせる契機になった気がする、それだけJonathan Iveの仕事が素晴らしいとも言える)。
新しいROIというのは、Return on interactionで、Return on investmentとは何の関係もないので、別のROIと解釈するのが正しいのだけども、よりよいインタラクションと、そのような製品による利益の割合のように解釈してもいいけど、利益にはよりよい体験という意味も含めて考えるといいと思う。これにはiPodのようなデバイスで、音楽を聴くという行為に対しては十分な性能を持っているから、これに対しハードウェア性能の向上によるメリットはない(バッテリーの持ちがもっと長くなってほしいけど)。むしろ大事なのはその上にどんな体験をもたすかということである、ということが含まれる。
逆にハードウェアの向上によって、機能過多になり、iPodにしたってスイスアーミーナイフのようになんでもかんでもな端末になってきて、それがどんなに見かけ上派手な演出をしようとも容易く扱えるものではなくなってきてる。それに対し、マルチタッチは希望であると書かれている。これによって、直接にも、そうでないとしても、データにさわる、ということの可能性を拡張すると。それがデスクトップにやってきて、長い長いマウスの歴史にそろそろ新しい形が訪れることは同じようにとっても歓迎するし、それによって新しいアプリケーションやハードウェアの形態も生まれるのだろうと思う。
最終的にはリアルQuickSilverみたくなったりして[via 43Folders]
Quicksilver in Real Life from Matt McInerney on Vimeo.
